FabCafe Another World Workshop
小さな虫をフォトグラメトリ&3Dプリントで体感する,こども向けワークショップ
8月21日(日)にFabCafe Tokyo にて開催されたワークショップ,「理研の研究者と探る、昆虫と共生菌の不思議な関係 」,(FabCafeさまのレポートはこちら)にND3Mがコラボレーターとして参画し,デジタル技術を用いたWS体験をサポートしました.
キクイムシの背中にある,マイカンギアとよばれる共生菌が住み着く部位に焦点をあてた,かなりマニアックなワークショップですが,3Dスキャンや3Dプリントと組み合わせることで,こども向けのイベントとして企画されました.
顕微鏡ではわからない立体感などを感じる3Dモデル
キクイムシ(カシノナガキクイムシ)は体長4mm程度で,マイカンギアはその背中にある,0.1mmにも満たない小さな構造です.顕微鏡で観察しますが,小さいものを扱っているのには変わらないので,簡単に操作をして思うがままに観察することはなかなか難しいものです.
ND3Mでは,これを3Dモデルとすることで,画面のなかで自由に回し,動かし,拡大することができることを目指し,フォトグラメトリを実施しました.
3Dモデルにすることで,顕微鏡では観察の難しい向きでの観察も可能になります.木の中を掘り進んで生活するキクイムシならではの円筒形の体も観察ができるようになりました.
近接撮影
近接撮影のためにレンズに取り付ける.リバースアダプタを3Dプリントで制作しました
3Dプリントによる柔軟で迅速な制作により,レンズ特性や対象物に応じて最適なアダプタを作成することができます.
毛の一本一本まで,高精細な撮影を行いました.3Dモデルにした際に,この詳細なディテールは失われてしまいますが,写真も合わせて観察ができます.3Dスキャナではなくフォトグラメトリを用いるメリットのひとつです.
Photogrammetry
撮影した写真をもとに,フォトグラメトリ,モデル修正を実施しました.
微細な構造までしっかりとモデル化可能です.
Workshop
当日は,理化学研究所 バイオリソース研究センターの遠藤力也さんより,キクイムシとそこに共生する酵母菌の関係について,レクチャーをしていただいた後,顕微鏡で観察を行いました.
その後,ND3Mからは3Dモデルを用いた観察と,フォトグラメトリ・3Dスキャンについての簡単なレクチャーを行いました.
また,小さなモデルをWS中にリアルタイムに出力し,3Dプリンタに触れていただく機会も設けました.
そして,観察したキクイムシのマイカンギアをもとに,オリジナルのマイカンギアを,粘土を使い作成します. WS終了後,これを3Dスキャンし,フォトグラメトリしたキクイムシの背中に合体させます.20倍の大きさで3Dプリントし,参加者に送付しました.(Sketchfabで閲覧可能です)
WS後は,FabCafe Tokyoの武田さまと,遠藤先生とともに対談も行いました.
対談記事はこちら
クライアント:FabCafe Tokyo
Date : 2022.08.21
Category : Workshop, 3Dprint, Photogrammetry